幻の長野県野宿旅行記








1999.10.08(金)

+ 出発前夜 +

_ 前回の原付バイクによる東北縦断 にて、無茶な旅行を成功させた喜びか自惚れか知らないが、もう一度 ちょっとした無茶な旅行に出ようと思った。季節はもう中秋であり、これ以上寒くなると野宿どころか 行き先によっては雪で原付バイクの走行自体が危うくなってしまう。既に富士山への原付での登山を 断念していた位である。
_ さて、今回の行き先は、ある友人が力強く推していた長野県の蓼科高原である。大学4年で就職活動も すでに終えていた私は、アルバイトの日程さえ調整すればいつでも旅行に行ける状態ではあった。
_ 高原で野宿にあたって、一番懸念されたのが寒さ対策であった。夏用シュラフを2つと毛布を 大きなカバンにつめて、それ以外のものは基本的に現地調達の予定。準備は完了し明日の出発を待つばかりであった・・・
_ この日のアルバイトを何事もなく終えて自宅の最寄駅へと到着後、事件は起こった。自宅から最寄駅まで この日は原付バイクで向かったのだが、停車しておいた公園の駐輪場にバイクが見当たらない。 何度も周りを探したが結果は同じであった。もしかしたら、公園側(行政側?)による違法駐車の撤去かもしれない と淡い期待は抱いたのだが、別に路上駐車をしているわけでもない。とりあえず、明朝を待ってから、 公園の管理者に確認を取り、それから警察に向かう事にする。

1999.10.09(土)

+ 出発当日の悪夢 +

_ _ 翌朝になる。結果はここ半年位は撤去作業をしていないとの事だった。というわけでそのまま駅前の派出所に行き、 盗難届を出してきた。キーは抜いてあったとはいえ、ハンドルロックや外付けの鍵などはしていない・・・迂闊であった。 アルバイトも休みにしてしまったので、やる事もなく暇を持て余していたというか、落ち込んでいた(笑)。

1999.10.10(日)

+ どん底 +

_ 何もする気が起きなかった、ひたすら沈むのみ。

1999.10.11(月)

+ 発見 +

_ 午前中は相変わらず沈んでいた。しかし、午後になって警察から電話がある。盗難された原付バイクが見つかったという 連絡であった。沈んでいた気分が一気に浮上する。
_ 早速、警察官に教えられた我が愛車の放置場所に取りに行く事にしたのだが、盗難された場所から50mも離れていなかった。 停車していた後援の駐輪場から林を隔てた集合住宅帯の一角に放置されていたのである。これでは、いくら探しても見つかる筈はない。 _ 盗難した犯人の目的はパーツであった、と別に改造してるわけでもなく、純正品のみのノーマルバイクなのだが。被害は、 右サイドミラーとバックライト、ウィンカーランプ等である。修理費は4,000円程度で済んだのが・・・。
_ 出発予定日の前日に盗難にあい、帰宅予定日に出てくると言うまさに神のいたずら。まぁ、発見されないよりは 十二分に運がいいとも言えるのだけど。ちなみに、このバイク、この半年後位にまた盗難にあう事になる。 しかもひったくり事件に使用されて悲惨な目にあったらしい(笑)。これだけのお話ですが・・・もし出発していたら 無事に帰って来れたのだろうか・・・何か事件が起こらなかっただろうか。そう考えないと少しやりきれない気分ではあった。

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